LPGの種類と用途

臭いによる分類
LPG液化石油ガス(Liquified Petroleum Gas)は、「家庭用プロパンガス」やタクシーでおなじみの「オートガス」などのように、一般に燃料に使用されています。

燃料として使用されているのは、「燃料用有臭LPG」と呼ばれ、輸入された「工業用無臭LPG」に漏洩時の安全のため着臭したものです。

当社で製造する「脱臭(脱硫)精製LPG」は、工業用無臭LPGを原料に脱臭精製工程を経て製造された特殊な製品です。


製造方法による分類
海外からブタン・プロパンとして別々に輸入されてくる「輸入ガス」と、原油精製の過程で生産される「精製(リファイナリー)ガス」、そして国内で産出される「天然ガス」から分離されたLPGがあります。

(通常の「天然ガス/LNG」は主成分がメタンで「LPG」とは異なります)


用途と分類
「精製ガス」には不飽和炭化水素(オレフィン類)が多く含まれているので、特有の臭いがあります。またこの成分は二重結合が外れて他の成分と重合しやすいため当社では「精製ガス」は扱っていません。

エアゾール・発泡用途の原料には、輸入ガスと国産品が使用されます。冷媒には、輸入ガスと国産品からより高純度に精製した、冷媒専用ガスを原料に使用しています。

 物性一覧表 Propane iso-Butane normal-Butane DME HFC-152a HFC-134a
プロパン イソブタン ノルマルブタン ジメチルエーテル    
化学式 C3H8 C4H10 C4H10 (CH3)2O CH3-CHF2 CH2F-CF3
分子量 44.097 58.124 58.124 46.07 66.05 102.03
液比重(at20℃) 0.500 0.557 0.578 0.660 0.899 1.224
沸点(℃) -42.1 -11.7 -0.5℃ -24.9 -25 -26.2
蒸気圧 0.75 0.21 0.12 0.41 0.41 0.48
(MPaG at20℃)
蒸気圧 1.13 0.37 0.24 0.69 0.70 0.78
(MPaG at35℃)
オゾン破壊係数 0 0 0 0 0 0
温暖化係数 3 3 3 0.2 140 1300
(100年:CO2=1)
光化学オゾン生成係数 42.1 31.5 41.4 12 0 ---
(エチレン=100) 
燃焼範囲 2.5-9.5% 1.8-8.4% 1.8-8.4% 3.4-24% 4.2-19.1% 不燃性フネンセイ
燃焼エネルギー 44.0 42.8/43.3 42.8/43.3 26.5 6.3 ---
(kJ/g)
引火点(℃) ‐90 ‐81 -72 ‐41.1 <-50 ---
発火点(℃) 481 544 441 350 454 ---